お笑いジャーナリストたかまつななさんに聞く「社会問題への向き合い方と新聞の活用法」【後編】

18歳選挙権を機に、若者と政治の距離を縮めるために、株式会社笑下村塾を設立。フェリス女学院出身のお嬢様芸人として、テレビ・舞台で活動する傍ら「お笑いジャーナリスト」として社会問題を発信している たかまつなな さんに活動の想い、新聞の活用法などについてインタビューしました。


前編の記事はこちら


一人一人が社会問題に当事者意識を

―たかまつさんが目指す社会の姿を教えてください。


たかまつななさん:皆が社会問題に対して当事者意識を持っていることですね。SNS上の誹謗中傷が問題になっていますが、全員に当事者意識があれば、そのような問題は起きないと思います。

私は自分の専門分野を持ってボランティアに参加する「プロボノ」を推奨しています。

海外で青年海外協力隊の方に密着取材した時に、皆さんとても楽しそうにしていたのが印象的でした。

ボランティア行為には、自己肯定感や承認欲求が満たされる面もあって、

それを目的に取り組んだっていいと思います。

寄付したり、エールを送ったり、社会との関わり方はいろんな形があります。

社会と関わっていくとすごく楽しいので、その楽しさをみんなが味わうことができれば社会は自ずと良い方向に向かっていくんじゃないでしょうか。


現場の気分を味わえるのが新聞

―当事者意識を持つためにはどうすればいいでしょうか?


たかまつななさん:現場に行った気分を味わえるのが新聞です。

例えば、私の祖父と祖母の介護が大変だったという話を聞いたことがあるんですが、具体的にどんなことが大変だったのか、私にはイメージがつかなかったりする部分も、新聞の介護体験に関する記事を読むと「こういうことに困っているんだ」と知ることができます。


親が「新聞のソムリエ」になってあげる

―新聞は子どもには少し難しいのでは、という気もします。


たかまつななさん:私も新聞記事の目次を見るという感じで読んでますね。

「親が新聞のソムリエになってあげる」イメージで、記事を切り抜いて子どもに渡してあげるといいと思います。

子どもは好奇心が強いから、日常生活で子どもが疑問に思ったことを、親が覚えておいてあげて、それに関連する記事を見つけたら、切り取って子どもに渡してあげるといいと思います。


新聞や伝記からかっこいい生き様を学ぶ

―たかまつさんの親御さんは本も渡してくれていたんですか?


たかまつななさん:本は家にたくさんありましたね。

小さい頃に伝記を読んでいたのはとてもいい経験だったと思っています。伝記にはお金や知識をカッコよく使ってる人たちがいっぱい出てきます。

例えば、キュリー夫人には特許を取らずにみんなで使えるようにした、というエピソードがあります。
科学の精神にのっとり、病気の治療に使えるように広く使えるようにしました。お金ではなく、困っている人にどう貢献するのかが描かれています。

やっぱり人間なので、自分さえ良ければいいみたいな瞬間ってどうしても出てくると思うんですよね。私も社会貢献とか教育とか偉そうに言っていますけど、自分さえ良ければいいと思う瞬間はいっぱいあって、実際それに負けそうになることもあります。


そういうときに伝記に出てくる偉人の生き様を知り「この人の生き方はかっこいいな」と思ったりします。


「あなたはどっちの意見?」新聞の読み比べを通じ、相手の立場になって考える力を

―新聞を使ってどんなコミュニケーションがとれると思いますか?


たかまつななさん:例えば、新聞を2紙読み比べて「あなたはどっちの意見?」と聞いてみるのはどうでしょうか。

「あなたはこれについて賛成なんだね。でもこれに賛成したら、反対の立場の人はどうなるのかな?」など、親が子どもに問いかけていくと、その子の想像力が豊かになると思います。


自分と違う意見が出てきた時、その人たちがなぜそう考えるのかを知るだけで、見方はだいぶ変わってくると思います。

新聞でさまざまな考え方を知ってコミュニケーションをとることは、いろいろな人の考え方を知ることができる、相手の立場になって考えるきっかけになります。

新聞で事実をもとに考えを組み立てる力が身につく

人は差別をしてしまいがちなところがあって、何も知らないと、例えば肌の色が違う人に対して何か言ったりしてしまうこともあると思います。

そうした時に、肌の色の違いに悩んでいる人の記事を読んで、こんなに悩んでいるんだ、そんな風に思えたら、差別をしなくなるのではないでしょうか。


新聞を読むことで、憶測ではなく事実をもとに組み立てていく能力が身につきます。

他の人の立場になって考える能力が身につき、人を思いやることができるようになることで、自分の人生が豊かになったり、生きやすくなったりすることもあると思います。


お笑いジャーナリストたかまつななさんに聞く
「社会問題への向き合い方と新聞の活用法」【前編】
https://www.shinbun.me/posts/8537358



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