教育YouTuber葉一さんに聞く「子どもの自主性を伸ばす自宅学習と新聞活用法」【前編】

新型コロナウイルスの影響で学校が休校になり、子どもは自宅学習を余儀なくされています。元塾講師の教育YouTuber 葉一さんに、子どもの自宅学習に親はどう関わるべきなのか、新聞の活用法などについて聞きました。


後編の記事はこちら


子どもが勉強しようと思った時、すぐ応えてあげられるのがYouTube授業配信だった

ーYouTubeで授業しようと思った経緯を教えてください


葉一さん:個別指導の塾講師をしていた頃、月謝の関係で塾に通えないご家庭も多く、どうにかできないかなと思いながら働いていました。

塾講師を辞めた後、よくYouTubeを見ていたんですよ。YouTubeってアカウントを作る必要がないので「子どもたち自身が見たいものを選択できるじゃん」って思ったわけです。その翌日から投稿を始めたのがきっかけですね。

気付いたらもうすぐ丸8年です。

【葉一さんのYouTubeチャンネル】チャンネル登録者数 91.4万人 (5月11日時点)

ー「自分の意思でする」というのは勉強において大事なポイントだと思うのですが、そこに着目したのはなぜでしょうか?


葉一さん:個別指導は集団塾より、勉強の苦手な子が多いんですよ。親に言われて通っている子も少なくありません。

塾講師をしていたころ常々感じていましたが、自分の意思で、勉強できるようになりたくて塾に来ている子はやはり吸収が早いです。

私の生徒はやんちゃな子が多かったですが、生徒たちもどこかで「自分も変わりたい」という気持ちがあるというのは接していて感じていました。


子どもが「勉強したい」って思った時、塾に行くのって親の承諾が必要じゃないですか。

でもYouTubeの授業であれば、そのハードルを取っ払えると考えました。ちょっとしたきっかけで人生が凄く変わっていくことって自分はあると思っていて、子どもたちの身近なところで、自分の意思で選べる教育を届けたかったという気持ちがありますね。


ー子どもが1人で学習するという状態を踏まえて、YouTubeで教えるときに気を付けていることはありますか?


葉一さん:動画を制作する上で気を付けている点は、長くなりすぎないようにすることです。大人が思っている以上に子どもたちは集中できない、ということを前提に作っています。

学校や塾のように強制力がないので、YouTubeでの勉強はサボろうと思えばいくらでもサボれます。なので、極力ポイントを明確にして、だらだらと勉強させないような話し方や説明の仕方は意識しています。


自宅学習では「学校の授業のように45分勉強させなきゃ」みたいな考えをやめる。大事なのは時間ではなく内容

ー子どもと一緒にいる時間が増えた親御さんが、いま勉強も含めてどんな風に接したらいいか悩んでいると思います。


葉一さん:親御さんからご相談いただいて感じるのは、本当だと学校の授業がある期間なので「学校と同じ生活サイクルを送らせなきゃ」みたいに思われているケースがとても多いです。

けれど、そんな必要はなくて、まず「学校の授業のように45分勉強させなきゃ」みたいな考えをまずやめた方がいいと言っています。


家では学校と同じようにはできません。45分と時間を決めてダラダラ勉強するぐらいだったら、5分間集中して勉強した方が子どもにとって有意義なんですよ。


自分も今、小学校1年生の息子に気を付けていることですけど、勉強時間や量に関して欲張らないようにしています。

うちの場合だったら、「1日2つずつ漢字を覚えよう」というスタンスにしてるんです。

漢字ドリルに書きなさいとかも全く言っていなくて、「目で見て覚えられるならそれでもいいよ。でも書いた方が覚えられるなら書いてみようか」みたいなスタンスでやらせています。

覚えることが大事で、それが3分で終わるならそれでいいと思いますし、10分かかるなら10分かけてもいいですし。

あまり過度な期待をすると、子どもにとってプレッシャーになるじゃないですか。

それを見て、さらに親御さんの期待値と子どもの現実がずれるので、そこにまた境目ができてしまい関係が悪化します。

それはお互いにとって良くないので、時間が増えたからこそ、勉強に関しては欲張らないっていうのはすごく気を付けているところですね。


100人いて100人が合う勉強法はないので「ひとまずやってみよう」みたいなスタンスがいい

ー親御さんが葉一さんの動画を子どもに見せた後に、どんな風に子どもに伝えれば自ら勉強に取り組んでくれると思いますか?


葉一さん:自分だったら「これは勉強のものだよ」って最初にはっきりと言った方がいいと思うんですよ。変にぼかして、勉強させるために見せているのかと後で思われると逆効果なので。

「今日一緒にやってみようよ」と言ってお試し感覚で1回やってもらう。

自分の動画もそうですし、他の教材もそうですけど、100人いて100人が合うサービスはないので「ひとまずやってみよう」みたいなスタンスがいいと思います。

そして、葉一の授業が「あ、いいな」って感じたら続けてもらえばいいと思いますし、合わなければ切り捨てちゃった方がいいです。


恐らくYouTubeは今すごく子どもたちと親和性が高いじゃないですか。「YouTubeで勉強できるらしいんだけど」と言うだけで「え、なにそれー?」ってちょっとは興味持ってもらえる要素があるので、導入はそんなに難しくはないと思うんですよね。ハマるかどうかは別の話ですが。


世界がコロナで侵食されているように見えるけど、そうじゃないんだよっていうのを見せるには新聞が一番

―葉一さんは新聞を購読していますか?


葉一さん:小学生新聞と中学生新聞を購読しています。


ーお子さんにどういう風に読ませていますか?


葉一さん:子どもはまだ小学1年生なので強制していません。面白い記事があった時に「こんなの載ってるよ」という感じで徐々に興味を持たせていく段階にいます。

新聞ってものすごいいい媒体だと思っています。今、テレビ報道はコロナのことばっかりなんですよ。

確かに世界的にコロナが主流のニュースだとは思いますけど、新聞ってそれ以外の出来事も楽しいニュースもいっぱい載っているじゃないですか。

だから、世界がコロナで侵食されているように見えるけど、でもそうじゃないんだよっていうのを見せるのって新聞が一番良い。


子ども新聞はかみ砕いて書かれているので分かりやすいです

ーなるほど。中学生新聞もお子さん向けですか?


葉一さん:中学生新聞は自分用です。授業で時事問題の話もするので、そのために読んでいます。

小学生新聞・中学生新聞両方とも元々は自分のために取っていたんです。子ども向けの新聞って切り口が普通の新聞と違うし、かみ砕いて書かれているのでとても分かりやすいです。

時事問題を子どもたちに教える時、もっとかみ砕いて伝えたいと思ったので、小中学生の新聞を取り始めたんです。

普通の新聞って、新聞によって同じ出来事でも捉え方や伝え方が違うことってあるじゃないですか。

それぞれ色があっていいと思いますが、小中学生の新聞ってその辺りをフラットにしようと意識して書かれているのが凄く伝わるんですよね。だから好きです。