「家族中心」の自分にプライドを持つ。眞鍋かをり流 子育て×仕事の心がまえ

「20代の頃はプライベートを犠牲にしていて、幸福度は今よりずっと低かったんです」柔らかい口調で語ってくれたのは、タレントの眞鍋かをりさん。数多くの番組に出演し帯番組でMCもされていた20代の頃に比べ、現在は働き方を家族優先にシフトしているそう。


その背景には、35歳で迎えた結婚・出産という大きなライフイベントがありました。生活スタイルが一変し、葛藤する日々もあったそうです。そんな眞鍋さんに、仕事と家庭を両立する際の考え方、日頃の情報収集や子育て方針をお聞きしました。前編・後編にわたって紹介します。



華やかだったけれど葛藤も多かった20代


ー20代と30代で働き方も変わるワーキングマザーの方も多いと思うのですが、眞鍋さんご自身はいかがだったでしょうか?

眞鍋さん:20代と30代で働き方はかなり変わりましたね。20代はプライベートを犠牲にして、「仕事のために仕事をしている」という感じでした。すごく大きな番組や帯番組でMCを担当させていただき、華やかに見える仕事も多かったのですが、いくら仕事をこなしても達成感はあまりなくて。20代の幸福度は今よりずっと低かったですね。

ー意外です。


眞鍋さん:働くのって「自分のやりたいことをやるのが好きなタイプ」と「人から求められて嬉しいと感じるタイプ」がいると思うのですが、私は完全に後者でした。


番組制作の方々の意図をくみ取って仕事ができたときは喜びを感じていたものの、自分が思っていないことを発言しなければいけないときもあり、そのギャップに悩んでいました。


ー期待に応えられる嬉しさもあるけど、葛藤もあったんですね。


眞鍋さん:ありましたね。30代で働き方を見直したいと考えて、一旦距離を置きました。このペースでいくと自分の身が持たないし、もっとプライベートも大切にできる環境に身を置きたいと思ったんです。現在の事務所に移籍してからは、自分に合ったペースで働くことができています。


一なかなかそこで方向転換できない人もいると思います。


眞鍋さん:そうですね。私にとって当時のテレビの仕事はすごく身を削るものだったので、トーンダウンすることが必要だったし、正解だったと思います。



戦士から回復キャラに。自分自身の役割の変化を受け入れる

ーお仕事と育児を両立することに悩む方も多いと思うのですが、眞鍋さんはいかがですか?


眞鍋さん:仕事から家庭中心に移行したての頃はかなり葛藤がありました。


一具体的にどんな葛藤がありましたか?


眞鍋さん:仕事に全力投球できなくなった自分への葛藤です。私はよくドラクエに例えているんですけど、これまではずっと最前線で攻める戦士としての役割だった自分が、急に攻撃力が低くなって、サポート役になるイメージです。


家庭に入って子育てもしていると、人をサポートすることの割合が多くなるじゃないですか。ゲームでいうと戦士ではなく、完全に回復系のキャラというか(笑)。そうなるとどうしても自分の中にある攻撃力が低くなって、「これでいいのだろうか…」って。


ー子どもができるとそういう風に感じるママは多いと思います。


眞鍋さん:回復キャラのマインド強めで仕事に行ってしまうと、自分が主役になることに恥ずかしさや引け目を感じてしまうんです。「普通の主婦がこんな場所にいていいのか」「戦士として仕事をしている集団の中で、そうじゃない自分は浮いてしまうんじゃないか」とナイーブになったり。


でもだんだん、その役割を受け入れられるようになっていきました。ある程度年齢を重ねると、自然と自分だけがプレーヤーになるというよりは、人を育てたりサポートする役割も担うようになっていきますよね。


プレーヤーとサポーターとしてのタイミングが同時にきただけだから、「回復系のキャラでもいいのかも」と今の役割を少しずつ受け入れられるようになりました。「家族中心」というのは自分で選択したこと。それを改めて自覚することで、少しずつ自信やプライドを持てるようになりました。


家にいる時間が長くなったことに対しての葛藤もあったのですが、「家事育児も立派な仕事」と捉えるようになってから吹っ切れましたね。



忙しくても、ネットと紙を併用して情報収集

ーふだん育児や仕事にお忙しいと思うのですが、普段の情報収集はどうされていますか?


眞鍋さん:ネット媒体と紙媒体の両方を活用しています。ネット媒体は手軽にニュースを確認できますが、どうしても自分が興味のあるトピックに偏ってしまうので。SNSも便利なんですけど、「薬にもなるけど毒にもなる」と思っていて。あまりネットやSNS中毒にならないように、情報収集は紙媒体も一緒に活用しています。


ー新聞も読まれますか?


眞鍋さん:よく読みますね。移動中に読んでいます。私にとって新聞はすごくわくわくするものというか、素敵だなって思うんです。


ーと、いうと?


眞鍋さん:ネットベースで自分の気になる話題を深掘りしていくのももちろんいいと思います。でも、新聞を読んでいると、たまたま目に入った記事からものすごいインスピレーションを受けることがあって。その内容がそれまで自分には全く関係のないと思っていたものだったらなおさら、運命的な出会いを感じます。自分の興味の範囲外からの出会いが得られやすいというか、「偶然手に入れたプレゼント」のような感覚になります。


ー新聞を読んでいてよかったことや、お仕事に生きたことはありますか?


眞鍋さん:一つの記事がそのままダイレクトに生きるというよりは、「新聞で触れた知識が蓄積されていく強さ」を感じますね。


新聞を読んで、わからない単語を一語一句調べているわけではないんです。でもわからない単語があっても、その言葉の意味を記事の文脈で推測しながら常に触れていることが大切というか。自然と推測力が培われる、筋トレのようなイメージです。



親の習慣は、子どもにも影響する

ー最近はフェイクニュースなども話題になっていますが、どうやって信頼できる情報源を見極めていますか?


眞鍋さん:一概には言えないですが、新聞は信頼しています。私自身もいろんな媒体の方から取材を受けることがあるのですが、その中でも新聞の記者さんはすごく誠実な方が多い印象です。


ネットだとパクリの記事だったり、個人情報を載せてしまったりしている記事もある中で、新聞は個人情報にきちんと配慮しながら発信している気がします。


ーお子さんと新聞を読んだりもしますか?


眞鍋さん:今はまだないのですが、もう少しニュースがわかるようになったら一緒に新聞を読みたいなと思います。こちらが「それはこうなんだよ」って教えるのではなく、ニュースを知って「どう思ったか」の素直な感想を聞きたいですね。今は子ども向けのストーリーを見て感想を聞くと、「悪いと思った」くらいなのですが(笑)。もう少し大きくなってくるとそういう話もできるのかなと思って今からすごく楽しみです。


子どもって親を見て育つじゃないですか。私は夕食が5-6品当たり前に出てくるような家庭に育ったのですが、そんな母を見て育ったので、今の私も自然と夕食の品数が多くて(笑)


そんな風に、親の習慣が子どもに繋がっていくじゃないですか。何か当たり前のようにできるようになるためには、それをどう教えるかではなくて、親の態度がどうあるかの方が重要なのかなと思うので、これからも新聞を読む習慣は続けていきたいですね。



インタビュー後編は4/9更新予定!お楽しみに



<眞鍋かをり プロフィール>

1980年生まれ。大学在学中からタレント活動を始め、バラエティに加え、報道・情報番組のコメンテーター、CMや執筆などマルチに活躍。一児の母。